「みなし残業 30 時間分込み」と書いてあると、それ以上の残業代は出ないのか。ルールを、短くまとめました。
一定の時間分までの、時間外労働・休日労働・深夜労働に対する割増賃金として、定額で払われる賃金のことです。「定額残業手当」「みなし残業代」などの名前で、呼ばれています。基本給の中に入っている場合と、基本給とは別の手当として払われる場合があります。
厚生労働省の Q&A では、固定残業代を払えば、別に残業代を払わなくてよい、とは言えないとされています。有効になる前提は、次の 2 つです。
固定残業代は、決まった時間分に対するものです。その時間を超えて働いた分は、割増賃金を、追加で払わなければなりません。
基本給とは別の手当を、残業の代金とみなしてよいかどうかは、雇用契約書などの書き方に加えて、会社の説明の内容や、実際の労働時間などの働き方を見て、判断されます(最高裁の判決(2018 年)でも、そのように示されています)。
固定残業代のある求人を出す会社は、募集のときに、次の 3 つを書く必要があります(職業安定法にもとづく指針)。
「月給 25 万円」とだけ書かれていて、その中に何時間分の残業代が入っているのか、分からない求人は、入社前に、確かめておくと安心です。
入社するときは、会社が、賃金の決め方や払い方を、書面などで示す決まりです(労働基準法第 15 条)。固定残業代については、ふつうの賃金の部分と、固定残業代の部分を、分けて分かるようにしておく必要があるとされています。
たとえば、こんな給料だとします。
まず、基本給から、1 時間あたりの賃金を出します。200,000 円 ÷ 160 時間 = 1,250 円。時間外の割増は 1.25 倍なので、1 時間あたり 1,562.5 円です。
30 時間分は、1,562.5 円 × 30 = 46,875 円。固定残業手当の 50,000 円は、これより多いので、30 時間分としては足りています。
この月に、35 時間残業したとします。超えた 5 時間分は、1,562.5 円 × 5 = 7,812.5 円(端数は、50 銭以上を切り上げて 7,813 円)を、追加で払う必要があります。
自分の数字で、確かめるときは、残業代の計算が使えます。1 時間あたりの賃金は、月給に入れない手当を除いて、出します。
契約書の書き方と、給与明細と、自分の働いた時間を、見比べます。固定残業代として認められるかどうかは、書き方や働き方で、変わります。相談先と、請求できる期間は、未払いの賃金・サービス残業に書いています。
このページは、一般的なルールをまとめたものです。個別の事情への当てはめは、労働基準監督署や、専門家に確認してください。
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